誕生日をアピールする女性のお客さん~自宅サロンでの体験談~

人間関係

サロンの現場では、いろいろなお客様と出会います。
その中には、言葉や態度の端々から「特別扱いしてほしい」と感じる方もいます。

今回紹介するのは、誕生日をわざわざアピールしてきた50代半ばぐらいの女性客の話です。
小さなことに思えるかもしれませんが、その裏には深い心理が隠れていました。

誕生日アピールをしてきたお客さんとの出来事

私の自宅サロンに、数回来店していたお客さんがいました。
いつも来店時は、仕事帰りに来店し少しイライラしている様子でした。
予約はいつも、ネットで予約をしてくるのですが、最終受付時間に予約をいれ、メッセージで最終受付時間以降の時間でお願いしてくることが多かったです。

当時はまだお客さんも少なく、生活のためにも受け入れていました。
しかし、この方はとにかく要求が細かく、
時間オーバーなのに「ヘッドもお願いします」「ハンドもお願いします?」と、
施術が終わるころに要望をしてくるタイプでした。

そしてある日、施術が終わった帰り際にこう言われたのです。

「来月、私の誕生日だからよろしくね。」

私は一瞬、耳を疑いました。
“よろしく”って、どういう意味?
プレゼントを用意しろということ?
それとも無料でやってくれという暗黙の圧力?

私は、「そうなんですね」と返しはしたけど、正直、どっちの意味かわかりませんでした。

ナルナル3
ナルナル3

友人に相談すると、「そんなことお店に言う人いるの?どっちもありそうで怖いね」と笑われましたが、相談した結果、プレゼントをあげることにしました。


サロンでは誕生日を聞いていないのに…

私のサロンでは、生年月日や年齢はあえて聞かないようにしています。
以前サロン勤務をしていた時、多くの女性が「年齢を言いたくない」と感じていることを知っていたからです。
プライバシーを大切にする意味もあり、プロフィール記入時も“生年月日は任意”にしていました。

そんな中で、わざわざ自分から「誕生日アピール」をしてくるお客様。
どう考えても、何かしらの“期待”があるとしか思えませんでした。

“来月よろしくね”という一言に、
「私を特別扱いして」というニュアンスを強く感じました。

無料で施術はしたくなかったので、仕方なく、誕生日プレゼントとして
シートパック5枚・炭酸パック2つ、ハンドクリーム1つを用意しました。

🔍心理学的分析:承認欲求の誇張と「特別扱い願望」

人は誰しも、「自分を認めてもらいたい欲求(承認欲求)」を持っています。
しかし、それが強くなりすぎると、
「他人をコントロールしてでも自分を特別扱いさせたい」という行動に出ます。

この女性が“誕生日”をアピールしたのは、
単なる会話ではなく、「あなたは私を大切に扱ってくれる人?」と
試すような心理だった思います。


当日、予約より1時間以上早く来店

誕生月になり、そのお客様から予約が入りました。
ところが当日、予約時間より1時間以上も早く到着

前のお客様が帰り、片付けをして時間が少しあるし、お腹もすいたからご飯でも食べようかと思っていたら、
電話がかかってきて、
「オートロック開けて」と。(私の借りてるマンションは、インターフォンがすごく響き他の部屋まで聞こえることもあり、1階まで私が迎えに行くスタイルをとっていました)

「〇時予約のはずですが?」と伝えると、
「そんなことない!」と不機嫌に。

予約サイトからの自動返信メールを見せてようやく納得したものの、
今度は「帰れって言う事?」と半分キレ気味。

ちなみに、このお客さん家は、近所でした(汗)自宅まで5分ぐらいです。

こちらも疲れてしまい、「もういいですよ、どうぞ」と案内しました。

早く来すぎたのに謝罪もなし。
この時点で「この方は謝れないタイプだ」と確信しました。

🔍心理学的分析:謝れない=自尊心の脆さ

このようなタイプの人は、誤りを認めることが「負け」だと感じます。
心理学ではこれを「自尊心防衛」と呼びます。

謝ることによって「自分の価値が下がる」と無意識に感じてしまうため、
あえて強気な態度を取ることで“支配感”を保とうとするのです。

誕生日をアピールする行動も、根底は同じ。
「私は特別な存在」「あなたに優遇される立場」と示すことで、
脆い自尊心を支えているのです。


謝らないし、「ありがとう」も言わない

1時間以上早く来すぎたことに対して謝る様子もなく、イライラした雰囲気で施術ルームへ。
私は誕生日の話を思い出し、準備していた袋に入れたプレゼントを渡しました。

「先月お誕生日っておっしゃってたので…よかったらどうぞ。」

しかし、彼女は一言の「ありがとう」もありませんでした。
受け取るのが当たり前のような態度。

お礼を求めたいわけではありません。(お礼を言うとも思えなかったし・・・)
ただ、あれだけ誕生日をアピールしておきながら、感謝の言葉すらないことに、
「あぁ、この人は“もらうこと”が目的だったんだな」とハッキリわかりました。
むしろ“こんなの?”って言う空気。

その瞬間、腑に落ちました。
この人の目的は、感謝ではなく「優越感」や「特別扱い」だったのです。

🔍心理学的分析:「お礼が言えない人」の心理構造

「ありがとう」が言えない人には、いくつかの特徴があります。

  1. 感謝=負け と感じてしまうプライドの高さ
    感謝を表すことが「相手に借りを作ること」だと考えるため、
    お礼を言うことで立場が下がると感じます。
  2. 自己中心的な思考
    世界の中心が“自分”であり、
    他人の配慮や優しさを「当然」と捉えてしまう傾向があります。
  3. 承認されないと不安になる依存型の承認欲求
    常に「誰かに見てほしい」「特別扱いされたい」と願うため、
    相手の気持ちよりも自分の“満たされなさ”が優先されます。
ナルナル3
ナルナル3

本来お店が用意するプレゼントは、ちょっとした物が多いです。入浴剤1~2個、次回使える15分サービス券、シートパック1枚~2枚など、ささやかなものです。これも利益に関係するので、そこにお金をたくさんかけることはできません。


プレゼントを求める人が抱える「心の空白」

誕生日を強調する人ほど、
普段から「自分の存在価値」に不安を感じています。

誕生日とは、「あなたが生まれたことを祝う日」。
それを強調するのは、「誰も自分を祝ってくれない」という
孤独や虚しさの裏返しでもあります。

つまり、誕生日を通して「私はここにいる」「大切にされたい」と
確認したいのです。

ただし、その方法が「圧をかける」「要求する」といった
攻撃的な形で表れると、人は離れていきます。


サロン経営者として感じたこと

私はこの出来事を通して、
「本当にどんなに丁寧に対応しても、合わないお客様はいる」

サービス業は“心の距離”が難しい仕事です。
でも、境界線を引かないと、自分が消耗してしまいます。

誕生日アピールをされたとき、
私が無料サービスで応えなかったのは、
相手を突き放したのではなく、健全な境界線を保ったということ。

それはサロン運営において、最も大切な「自分を守る技術」でもあります。

ナルナル3
ナルナル3

相手は、お客さんとはいえ、自分も感情を持った人間なので、心を守ることは本当に大事です。


「お礼が言えない女」と「謝れない男」は根っこが同じ

男女関係なく、謝れない人・お礼を言えない人には共通点があります。
それは、「自分を下に見られたくない」プライドの高さです。

「謝る」「感謝する」は、相手を認める行為です。
それができる人は、自分に自信がある人です。

逆に、それができない人ほど、
自分の中に“弱さ”や“劣等感”を抱えています。

誕生日アピールで相手に圧をかける人も、
遅刻しても謝らない人も、根本の心理は同じなのです。

まとめ

私、「ありがとう」と相手関係なく素直に言える人は、子供から大人へと成長していく過程で、健全に心が成長してきたんだろうなと思います。
変なプライドで自分を守るより、素直な心で人と関わる方が、
長い目で見て信頼を得られると思います。

今回のお客さんは、結局その日以降サロンには来ませんでした。
でもそれでよかったのだと思います。

誕生日をアピールするお客さんの行動は、
単なるわがままではなく、「自分は特別」という扱いをされたかったんだと思います。

けれど、それを他人に強要する限り、
人は避けるだろうし、仲良くなりたいとも思わないでしょう。


「ありがとう」と言える人とは、長く良い関係を築けますが、
「当然でしょ」と思う人との関係は、必ずどこかで歪みが生じ、心が疲弊していきます。

そして何より、自分の優しさを無駄に消耗しないためにも、
“心の境界線”を大切にしていきたいと感じた出来事でした。

心理学的に見る「誕生日アピールする人」

1. 承認欲求が強く、他人の反応で自分の価値を確かめたい

「誕生日=自分を祝ってもらえる日」です。
普通は家族や友人、彼氏彼女と過ごすものですが、
それをサロンなどの“仕事関係”の相手にまで求めるのは、
自分の存在を特別扱いしてほしい心理の表れです。

このタイプの人は、
「祝ってもらえる=愛されている」と感じる傾向があり、
それが満たされないと不機嫌になってしまうのでしょう。

ナルナル3
ナルナル3

個人的な考えですが、大人になれば、誕生日は親に感謝する日であって、強制的にお祝いを要求するのはいかがなものかと思います。


2. プライドが高く、弱みを見せられない

誕生日をアピールしながらも、
感謝や謝罪ができないのは「自分が下に見られたくない」という心理からきていると思います。

「ありがとう」と言うことは、
相手に感謝の気持ちを表す=“自分が助けられた立場”を認めることになります。
プライドの高い人は、それができません。

つまり、誕生日をアピールして優位に立とうとしつつ、
感謝はしないことで“自分の立場を守る”のです。


3. コントロール欲求が強い

このタイプの人は、「相手を自分の思い通りにしたい」という欲求が強いです。
「来月誕生日だからよろしくね」も、
「あなたは私に気を使って当然よね」というコントロールの一種。

最初は甘い言葉やアピールで距離を縮め、
相手が優しくしてくれると、次第に要求がエスカレートします。


こういうお客さんにどう対応すべきか

1. 境界線(ボーダー)を明確にする

心理的に“他人との境界線”が曖昧な人ほど、
こうした要求を受け入れてしまいがちです。

「ここまではOK、ここからはNG」を
はっきり線引きすることが、自分を守る第一歩です。

ナルナル3
ナルナル3

コロナ渦もあり、自分の生活も心配だったので、要求を受け入れすぎましたね(汗)


2. 同情や罪悪感で動かない

相手が不機嫌になっても、
「私が悪いのかな」と思わないこと。

承認欲求の強い人は、他人の優しさにつけこむ傾向があります。
優しさを「利用できる」と感じた瞬間、
さらに要求が強くなります。

ナルナル3
ナルナル3

空気を読みすぎる人、共感力が高い人は注意です。


3. “ありがとう”や“ごめんなさい”が言えない人とは距離を取る

感謝や謝罪ができない人は、
他人との関係を「対等」ではなく「支配・被支配」で見ています。

あなたがどれだけ尽くしても、
その人の中では「自分が上」なのです。

そんな関係に、エネルギーを使う必要はありません。

ナルナル3
ナルナル3

こういう人は、自分に利益、有利、と判断した場合は、上辺の感謝の言葉、謝罪の言葉を言ってきます。大抵は、自分より上の人と考える場合に多いです。


お礼も謝罪もできない人の根本は「プライド」

誕生日をアピールする人も、
謝れない人・お礼を言えない人も、
根っこは同じ――プライドの高さです。

自分の価値を自分で認められないために、
他人に「特別扱いされること」で安心しようとします。
しかし、それは一時的な満足に過ぎません。


まとめ

今回のお客さんは、結局その日以降サロンには来ませんでした。
でもそれでよかったのだと思います。

人はそれぞれ波長があります。
「ありがとう」と言える人とは、長く良い関係を築けますが、
「当然でしょ」と思う人との関係は、必ずどこかで歪みが生じ、心が疲弊していきます。

無理に誰かを満足させるよりも、
自分の心の平穏を守ることが何より大切です。

あなたの優しさを理解し、大切にしてくれる人だけを
周りに残していけばいいのです。

タイトルとURLをコピーしました