「結婚したいなら、独身の人を選べばいいのに、なぜ既婚者?」
そう感じたことはありませんか?
離婚するか分からない既婚者を待ち続けるより、結婚願望のある独身男性と出会うほうが合理的に思えるけど、それでも、不倫関係が何年も続いてし待っている話をわりと聞きます。
そこには、感情と現実の間で起きている心理的なズレがあるのだと思います。
本記事では、その構造を整理していきます。
「結婚したい」と「この人がいい」は別の欲求
頭では、結婚を目指すなら、独身で結婚願望のある人を選ぶ方がいいことは分かります。
けれど心は別の動きをしてしまう。
「今好きな人と一緒になりたい」
この感情は、未来設計よりも強い力を持ちます。
既婚男性は余裕があり、話を聞くのが上手で、女性を安心させる言葉を知っていることが多いです。
その関係はすでに出来上がっていて、感情も深く結びついています。
一方、独身男性との出会いはゼロからのスタート。
関係が続く保証もなければ、自分が選ばれる保証もない。
人は「可能性のある未来」よりも、「今ある関係」を優先してしまいやすいです。
希少性が依存を生む
既婚者との関係は、会える時間が限られています。
会えない時間があるからこそ、
連絡ひとつ、短時間だけ会うにもひとつの価値が高まります。
手に入りにくいものほど価値があると感じる心理が働きます。
これは恋愛というより、依存に近い状態を生みやすいです。
「いつか離婚する」
「今はタイミングが悪いだけ」
この“ゼロではない未来”が、希望として残り続けてしまいます。
可能性が1%でもある限り、人は手放しにくくなります。
自己肯定感との結びつき
不倫関係が長期化する理由の一つに、自己肯定感の問題があります。
「妻より君がいい」
「本当に愛しているのは君だ」
こうした言葉は、“選ばれている感覚”を強く刺激してきます。
独身同士の恋愛は対等な関係です。
しかし既婚者との関係は、「自分は特別」という錯覚を生みやすい。
その感覚が、自分の価値と結びついてしまうと、関係を失うことは自分の価値を失うことのように感じてしまうでのです。
サンクコスト効果──時間が縛りになる
「サンクコスト効果」とは、心理学では「埋没費用効果」と呼ばれます。
- sunk = 沈んだ
- cost = 費用
直訳すると
「沈んでしまった費用」 という意味です。
もともとは経済学や経営学の言葉です。
一度使ってしまった時間やお金は戻らないのに、
「ここまでかけたのだから」と思うと、やめられなくなる心理です。
難しい言葉に聞こえるけれど、
ようするに「もったいない」が判断を狂わせる、ということです。
20代から始まり、気づけば5年、7年、10年。
「ここまで待ったのだから」
「今やめたら全部が無駄になる気がする」
そんな気持ちが、心を縛ることがあります。
人は、一度かけた時間や気持ちを“なかったこと”にするのがとても苦手です。
たとえうまくいかないと分かっていても、「これだけ頑張ったのに」と思うほど、引き返しにくくなってしまいます。
たとえば、映画館でつまらない映画を観ているとき、
途中で出ればいいのに、「お金を払ったから」と最後まで観てしまうことがあります。
本当は、途中で出ても損は増えないのに、
「もう払ってしまった」という事実が判断を鈍らせてしまいます。
恋愛でも同じことが起きます。
使ったお金ではなく、
費やした時間や若さ、自分の感情が“もったいない”と感じてしまう。
しかし、関係を続けたからといって、
過去の時間が戻るわけではないです。
未来を決めるのは「これから幸せになれるかどうか」のはずなのに、
人はつい、過去に縛られてしまうことがあります。
結婚が目的ではない場合もある
「結婚したい」と言いながら、実は本当に求めているものは別にあることも多いです。
・必要とされたい
・特別扱いされたい
・寂しさや孤独を埋めたい
結婚という制度よりも、感情が満たされる関係を優先してしまう。
だから合理的なルートを選ばないのかもしれません。
構造を知ることが、現実を見る力になる
結婚を望むなら、独身で結婚願望のある人と出会うほうが結婚できる確率は高いと思います。
けれど人は、結婚できる確率ではなく感情が先に動いてしまいます。
だからこそ大切なのは、
「なぜ私はこの関係を選んでいるのか」と構造で見ることが大切です。
恋なのか。
依存しているのか。
承認欲求なのか。
孤独を回避しているのか。
感情を否定する必要はありません。
ただ、自分が何に縛られているのかを理解できたとき、初めて、自分の意思で選べるようになると思います。
合理性だけでは動けないけれど、構造を知れば、現実を見る力は持てます。
それが、不倫から抜け出す第一歩になるのかもしれません。
