ブラックすぎ&パワハラが酷く入社3ヶ月で辞めた時の話(後編)

働く

栄養士として採用されたのに、実態は調理スタッフ扱い

私は「調理スタッフ」ではなく、栄養士として採用されました。
けれど、実際に任されたのは食器洗いや配膳など、現場の雑務ばかり。
ある日、市内の福祉施設の栄養士が集まる会に、なぜか私が施設の代表として出席することになりました。
本来なら管理栄養士が出席するのが当然なのですが、その方が年下という理由だけで、私が代表です。

さらにおかしなことに、衛生責任者にも任命されていました。
私は栄養士であり、資格のランクとしては管理栄養士の下にあたります。
それなのに、責任者として名前を出されていたのです。

また、献立作成は管理栄養士、栄養士の資格もない施設長の奥さんが作成していました。福祉施設、学校給食などは管理栄養士や栄養士の公的資格が必要です。私が入る前に監査で指摘をすでに受けていたにもかかわらず、継続して行われていたのです。

ナルナル3
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余談ですが、私が勤めた所は老人ホームで、入居者の方達への介護計画の様なものがあるのですが、その書類作成は、資格を持った人が作成しないといけないのに、これも無資格の施設長の奥さんが行って、監査で指摘を受けていたと聞いたときには、かなりドン引きしました。


在庫が合わない…原因はトップの「身内」

在庫管理の仕事も任されていましたが、帳簿と実在庫の数がまったく合わない。
原因を探っていくと、施設長の奥さんの発注方法に問題がありました。
今週使う材料なのに、「まだあるから発注しない」という独自ルールのせいで、実際は来週分はないのに帳簿上は在庫あり。
必要な食材が絶対足りなくなると思う時は、調理師さんが前日自腹でスーパーで買って補うという状況でした。

さらに驚いたのは、冷凍食品の扱いです。
おやつ用に購入した冷凍食品の賞味期限が切れていることもありました。
それを「もったいない」と言って、解凍したものを再び冷凍庫へ戻す…。

調理現場の人も良くないのをわかっていましたが、施設長がキレるから、
衛生管理より「もったいない精神」を優先する姿勢に、心底ゾッとしました。
食中毒が起きてもおかしくない環境だったと思います。

ナルナル3
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施設長夫婦は、定期的にごみ袋を漁って、捨ててないかチェックされると聞いたときにはゾッとしました。漁られるから、腐った食材、料理も袋を持参して自宅に持ち帰り処分をすると・・・まともな施設なら、ありえないことです。


在庫表は手書き、パソコン使用で怒鳴られる時代錯誤

在庫帳簿は手書き・手計算
時代は、PCで管理は当たり前の時代であることを忘れそうになるほどのアナログぶりでした。
「少しでも効率的に」と思って、PCのデータから記入用紙をプリントアウトしたところ、施設長が激怒。

「そんな面倒くさいことするな!紙の原紙があるだろう!要領が悪い!」

と怒鳴り始めたのです。
私にとっては、効率化のための小さな工夫でしたが、彼にとっては“逆らった”ように映ったのかもしれません。


理不尽な怒鳴り声と心身の限界

怒鳴り声は日常でした。
私に限らず、他の職員にも怒鳴りつけるため、毎日どこかで怒号が響いていました。
私は次第にその声を聞くだけで体が反応するようになってしまい、
朝になると胃が痛くなり、建物が見えるだけでお腹が締め付けられるように痛くなる。
出勤してすぐトイレに駆け込む、そんな日々が続きました。

気づけば、たった2か月で限界に達していました。


退職届を出しても受理されない現実

ついに辞めようと決意し、退職届を提出しました。(この時、3か月目突入で、提出のために出勤)
ところが、施設長は「受け取らない」と突き返してきました。
この時点で、もう常識は通じないと悟りました。

どうしていいか分からず、労働基準監督署に電話をしました。
事情を説明すると、
「退職日を書いて、それ以降は出勤しなくて大丈夫です」
と言われ、法律に基づき、提出日から2週間後になるように日付を書き、アドバイス通りに再度退職届を郵送で提出しました。

最後の1ヶ月は出勤できる体調ではなかったので、ほぼ出勤せずそのまま退職でした。


トップがパワハラ体質だと、ルールは存在しない

この経験で痛感したのは、
パワハラがトップにある職場では、どんなルールも意味をなさないということです。
就業規則も法律も関係なく、上の人の機嫌や感情で物事が動く。
「正しいことを言う人」ほど疎まれ、押しつぶされる構造でした。

働くとは何か、責任とは何か。
あの職場を辞めたことで、私はようやく冷静にそれを考えられるようになった気がします。


今思うこと

あの頃は、「自分の精神が弱すぎる」と思っていました。
でも今は違います。
あの環境で心身が完全に壊れなかっただけで十分です。
早急に辞めるという選択は、**逃げではなく“自分を守る行動”**だったのだと。

そして今、改めて思いますが、従業員を大切にできない経営者、上司、職場環境は、心身を疲弊させるだけ、人間関係が良好、職場環境良好でなければ働き続けれないなぁと思います。

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