「最初はいい人だと思ったのに・・・」―心がすり減っていった職場の話

人間関係

仕事をしていると、最初は優しかったのに、だんだん態度が変わっていく人っていませんか?
初めは親切で、頼れる存在だと思っていたのに、気づけば言葉にトゲがあったり、重箱の隅をつつくような些細なことを頻繁に言われると毎日が怖くなっていきます。
これは、私が実際に経験した「心が削られた職場での出来事」です。


最初は優しい上司だった

この出来事は、私が20代のころの話になります。

私は光脱毛サロンで働き始めました。(エステ業界は2社目)

店舗に配属になる前の1週間は、別の場所で研修が行われ、ベンドメイキング、接客・電話応対のロールプレイングなどしました。配属後、先輩や上司から脱毛器の使い方は詳しく指導してもらうという感じでした。
そんな私に、ある一人の上司が丁寧に仕事を教えてくれました。
雑用含め一つ一つ丁寧に教えてくれるので、「面倒見の良い人だな」と思ったのです。

仕事に慣れない私に、優しく声をかけてくれる。
ちょっとした失敗もフォローしてくれる。
その人がいるだけで安心できて、「いい職場に入ったな」と心から思っていました。

でも、ほんの数週間で、その印象は大きく変わっていきました。


少しずつ感じ始めた違和感

ある日、ベッドメイキングをしていたときのこと。
タオルの折り目が「2〜3センチずれている」と注意されました。
「そんなに細かいことまで?」と、正直驚きました。
でも、最初はまだ笑って受け流していたんです。

ところが、それからというもの、
「ちょっと来て、ここ拭き残しがある」
「ちょっと来て、タオルのしまう向きが違う」
「ちょっと来て、洗濯機回してきて」
と、毎日のように何かしら指示や指摘を受けるようになりました。

内容は、ほんの些細なことばかり。
それでも、彼女の口調には棘があって、だんだんと私は委縮していきました。
「また何か言われるかもしれない」、「また、やらされるかもしれない」と思うと、仕事中ずっと息をひそめてしまう。
自然な笑顔も出せなくなっていきました。


周囲も気づいていた“おかしな空気”

一緒に働いていた同僚が、あるとき小声で言いました。
「また!?あなただけに言いすぎじゃない?」

その言葉に少し救われました。
「私の勘違いじゃなかったんだ」と思えて。
でも、職場の空気は変わらないまま。

ある日は、私が担当していない業務のことで注意されたり、
また別の日には、誰かのミスをなぜか私のせいにされました。

1日に1回あるかないかの注意ならどこの職場でもありえることだと思いますが、1人のお客さんが帰るたびに注意されるのです。光脱毛のサロンは、短時間の施術も多いので、普通のリラクゼーションサロン、エステサロンより多いです。1日に10回以上は何かしら私に言ってくるのです。

指導している上司の行動は異常でした。


限界を感じて、退職を決意した日

そんな毎日が続くと、些細な注意でも聞き流せていたものも聞き流せなくなってくるのです。
「行きたくない」
「でも、休めない」
「また言われるのか」

いつのまにか、仕事のことを考えるだけで気が重くなっていきました。

仲が良かった同僚に相談し、「もう辞めると思う」と話すと、「あの人おかしいからいいと思う」と背中を押してくれました。
その言葉に少し勇気をもらって、店長に退職の意思を伝えました。

最初は驚かれましたが、詳しく話すと「そういうことがあったんだ。それだけの理由で辞めてたらどこ行っても同じだよ」と言われました。

その日のうちに、実際にあったのか、他のスタッフにも確認をとって注意をしたようで2、3日は何も言われることなく済んだのですが、そういう人は止められないんでしょうね。じわじわと、注意を開始してきました。

何かと私に注意してくる上司は、店長に注意されていても言わずにはいられなかったんでしょうね、私が辞めるまで続きました。

しかし、店長はサラッとしていたので、特に止められることもなく、淡々と退職の手続きができた点は良かったです。


辞めてから気づいたこと

辞めてすぐ派遣で事務の仕事を始めたのですが、初めての職種で特に執拗な注意を受けることもなく仕事をこなしていました。
ふとした瞬間に思い出して
「私が悪かったのかな」
「もっと上手く立ち回れたら続けられたのかな」
そんなことを考えることもありました。

でも、時間がたつにつれて、だんだんと気づいたことがあります。
あの人は、最初から“優しい人”ではなかったんだということ。

行動が異常であること、そして自分より下だと感じた相手には、支配的に振る舞うタイプ、自分の思い通りにしたいタイプだったのかもしれません。

最初は話しやすそうな雰囲気で親切にし、距離を縮め相手の心を開かせる。
そして、相手が慣れてきた頃に、少しずつ攻撃的になる。
それは“支配”の一種だったのだと思います。


「逃げること」は、負けじゃない

あの頃の私は、「長く勤めれない自分はダメな社会人だな」って思っていました。
我慢してでも頑張って3年は勤めれたら良いんだろうけどなと思っていました。

(石の上にも3年ということわざがあるように・・・)

でも、今ならはっきり言えます。
逃げて正解だった。

もしあのまま続けていたら、きっと心が壊れていたと思います。
店長に「そんなことで辞めるの?」と言われても、
私にしかわからない苦しみがありました。

「もう無理」と感じたとき、
それは“弱さ”ではなく、“限界を知らせるサイン”なんです。

支配したい人、思い通りにしたい人は、思い通りになればなるほどエスカレートしていきます。1週間でもおかしいと思えば辞めたほうが良いのです。


自分を癒す時間を取り戻す

辞めたあと、新しく勤めた派遣先では親しい人を作ることしませんでした。

休憩時間も極力一人で食事をし一人で過ごしました。

休みの日は仕事のことを忘れ、
朝ゆっくり過ごし、お茶を飲んだり、散歩をしたり、
ウィンドウショッピングに出かけたり、ただぼーっとしたり。

少しずつ、頭の中から「職場の顔ぶれ」が消えていきました。

すると不思議なことに、前よりも気持ちが穏やかになって、

睡眠障害で寝つけないことも多かったのが、だんだん眠れるようになっていき、体調も徐々に回復していきました。


今、同じように苦しんでいる人へ

もし今、あなたが職場の人間関係で悩んでいるなら、
どうか自分を責めないでください。

誰かがあなたを追い詰めているなら、
それはあなたが悪いからではありません。

優しい人ほど、我慢してしまう。
「このくらいなら、面倒だから聞き流そう」と反論すべきところを流してしまう。
でも本当は、言うべきところでは、はっきり言わないとやられる可能性があると思っています。

それでも改善しないのであれば、心身壊してまでその職場で働く必要はないです。
自分を守るための“退職”は、決して負けではありません。


まとめ

あの頃の私は、毎日波風たつことなく、平穏に終わることだけで精一杯でした。
でも今は、「あの経験があったからこそ、人の痛みに気づけるようになった」と思えます。

職場の人間関係に悩んでいる人がいたら、
「無理しなくていいよ」って伝えたい。
自分の心が壊れる前に、休んでも、逃げてもいい。

私自身も、あの経験を無駄にせず、
これからは“心が軽くなる働き方”を選んでいきたいと思っています。


🕊️ 今日も、自分を責めずに。
逃げることは、悪いことじゃない。
それは、自分を守るための勇気ある選択です。

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