― 優等生が高校を中退した理由 ―
小学生のころ、同じ町内にとても優秀な子がいました。
お父さんを早くに交通事故で亡くし、シングルマザー家庭で育った子です。
小学1年生からピアノや塾に通い、
学年が上がるごとに習う教科、スポーツなど習い事は増えていきました。
雪の日も、暗い道を一人で帰る姿を見かけたと私の母はよく話していました。
私の母は、見かけると「塾の帰り?頑張るね。気をつけてね」と声をかけるほど、小学生の頃から努力している子でした。
可愛らしい子で、本当に頭が良く、自分の意見もはっきり言い、運動神経もよい子でした。
私と違い中学では目立つグループにいて、外から見れば順風満帆。
高校は進学校へ進学したと聞いていました。
――でも、高校1年の夏休み明けごろ中退しました。
理由は「いじめ」だったと、同じ中学に通っていた子から後から聞きました。

この子とは、小学校低学年の頃は本当によく遊びました。一輪車が乗れるように一緒に練習していました。高学年になると彼女の習い事が増えてきて、遊ぶ機会が減ってしまいましたけどね。
きっかけは“親の噂話”
いじめの発端は、いじめをした子の母親の噂話でした。
「不倫しているらしい」
それが事実かどうかは分かりません。
夫とは死別しており、彼女の母親は独身です。
恋愛をしていても何の問題もない立場です。
それでも、
大人同士の噂話が
子どもの口から学校へ広がり
事実かどうかも分からないまま
攻撃の材料になってしまいました。
そして、本人が標的になりました。

その話聞いたときに、どうして、あのグループの子達とあまり一緒にいないんだろうって思うことは思ったこともあります。イジメをしていた子とは別のクラスだったんですけど、仲の良いグループの子もイジメていた子も皆、塾が同じだったのとイジメていた子とは家が近いからイジメるきっかけはあったのかなと。
噂がいじめに変わる構造
ここにあるのは、とてもシンプルな構造です。
① 「少し目立つ子」は標的になりやすい
- 成績が良い
- 習い事が多い
- 可愛い
- 目立つグループにいる
羨望は、時に敵意に変わります。
② 噂は“正義”の顔をして広がる
「本当らしいよ」
「みんな言ってるよ」
証拠がなくても、人数が増えれば“事実のよう”になります。
そして子どもは、
親の話をそのまま持ち込みます。
③ 子どもは親を選べない
いじめの対象は母親ではなく、子どもでした。
これはとても残酷な現実です。
大人の評価や噂が、
子どもの立場に直結してしまいます。
どれだけ本人が努力しても、
どれだけ優秀でも、
家庭の話題ひとつで立場は崩れます。
「順調に見える子」ほど危ない
外から見ていると、
- 部活もしている
- 恋愛もしている
- 友達もいる
楽しそうに見えます。
でも、思春期の人間関係は一瞬で崩れます。
今回は、学年でも目立つグループに所属していた子がイジメのターゲットでしたが、
- いじめていた側の子が孤立し
- 立場が逆転し
- 空気が変わり
- その中で巻き込まれる形で孤立
という可能性も考えられます。
思春期のグループ構造はとても流動的です。

私をイジメていた子が、学年上がったら、同じクラスだったけど、嫌われる存在になっていて、私自身も嫌われてはいたけど、それ以上に嫌がられていた感じだったので、何がきっかけで形勢逆転するか分からないのが思春期の人間関係かなって思ったりします。
努力は、必ずしも守ってくれない
小学生の頃、その子は留学したいと言っていました。
いい大学へ行き、将来を広げる道もあったはずです。
でも、高校中退。
進学校に進んだのに、いじめで退学。
努力はしていた。
能力もあった。
それでも、環境が壊れると進路は変わります。
これは「本人の弱さ」ではありません。
その後の人生
その後、高卒認定を受ける予定だという噂を聞きました。
20歳ごろには結婚したようで、2~3歳ぐらいの子供を2人連れてスーパーに向かって歩いている姿を見かけたことがあります。
幸せかどうかは、外からは分かりません。
でもひとつ言えるのは、
あの出来事がなければ、
別の進路があった可能性は高いということ。
大人の噂話は、子どもの武器になる
この出来事で強く感じるのは、
大人の何気ない一言が、
子どもの世界では「攻撃材料」になるということ。
- 「あの家、なんか怪しいよね」
- 「男の人よく来てるらしいよ」
- 「お母さんだけなのに、ブランド物をたくさん持っているよね」
子どもはそう言う話を聞き、普通じゃないと言う事を感じネタとして持っていきます。
そして、面白半分、正義感、嫉妬、
さまざまな感情と混ざり、いじめになります。
いじめは“家庭”を背負わされる構造
子どもはいじめられるとき、
- 成績
- 容姿
- 性格
- 家庭環境
あらゆる要素を使われます。
今回のケースは、
「親の噂」が引き金でした。
でも本質は、
集団の中で誰かを下げることで均衡を保つ構造。
それが、たまたま彼女だっただけかもしれません。

中学生は特に高校受験があるから、試験勉強のストレスのはけ口として、いじめにもなっていたのかも。
まとめ
・優秀な子でも守られない
・努力していても崩れる
・噂は簡単に武器になる
・子どもは親の評判を背負わされる
いじめは、突然起きるものではなく、
人間関係と比較と嫉妬の構造の中で生まれます。
そして、大人の無責任な言葉が、
子どもの人生を大きく変えてしまうことがある。
この話は何十年も昔の出来事ですが、
時代は変われど今も同じようなことが起きていると思います。
だからこそ、
「安易に噂話をしない大人」でいることが、
一番の予防なのかもしれません。
